大判例

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東京地方裁判所 昭和23年(ワ)111号 判決

原告 四宮栄明

被告 国

一、主  文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

二、事  実

原告訴訟代理人は、「昭和二十二年十月三十一日現在において、片山哲内閣が東京都の二十日分の主食の配給を打切つた処分は、憲法第十一条及び第二十五条に違反するものであることを確認する。」との判決を求め、その請求の原因として、

「原告は東京都において主食の配給を受けている者であるが、昭和二十二年度において、当時の片山哲内閣は、同年十月三十一日を基準とし、東京都の二十日分の主食の配給を打切る行政処分を行つた。当時主食は、食糧管理法によつて厳重に統制されて居り、配給以外の方法によつてこれを入手することは禁ぜられていたのであるから、その配給を、東京都において、二十日も打切つたことは、原告に、死を要求するにも等しいものであつて、かかる処分は、憲法がその第十一条及び第二十五条において国民に保障する、基本的人権及び健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を侵害する違憲の行政処分である。

原告は将来重ねてかかる違憲の処分がなされることを防ぐため、本訴に及んだ。」と述べた。

被告指定代理人は、主文第一項同旨の判決を求め、答弁として、「原告の請求は、要するに、片山哲内閣が、昭和二十二年十月三十一日現在において、東京都内の二十日分の主食の配給を打切つた処分が憲法に違反することの確認を求めるというのであつて、原告の有する特定の権利または法律関係の現在の存否に関する請求でないから、原告は権利保護の利益、即ち即時確定の利益を有しないものである。」と述べた。

三、理  由

原告の請求は、片山哲内閣が、昭和二十二年十月三十一日現在において、東京都において二十日分の主食の配給を打切つた処分即ち片山内閣の過去の行政上の処分が憲法に違反することを主張してその確認を求めるものたるにとどまり、原告に利害関係ある具体的な法律関係につき現に紛争が存するものとしてその判断を求めているのではない。

果して然らば、本訴請求は、確認の訴として不適法であるから理由なしとして棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条を適用して主文の通り判決する。

(裁判官 小川善吉 岡田辰雄 矢口洪一)

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